| 備後に生きる(下) 生き方重なる“音”求めて |
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| 毎日新聞 2003年6月26日(木) | ||
![]() 中国広東省の大学に招かれて演奏するデュオ三木=02年10月 |
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| ピアノの三木健嗣さん(53)、バイオリンの登志江さん(52)夫婦の「デュオ三木」―福山市東深津町―は79年、福山市内でのサロンコンサートで本格的な演奏活動をスタートさせた。聴衆は12人。7年間、バイオリンに触れていなかった登志江さんが、楽器を取り戻してからわずか1カ月後だった。 バイオリンは、福山市内で偶然再会した高校時代の恩師が父を説得してくれ、登志江さんの手に戻っていた。 「練習を1日休めば、納得のいく演奏ができなくなる」といわれる音楽の世界。しかし、楽器と再会して以来初めての演奏会を前に、登志江さんは不安を感じなかった。何年離れていようと、きっと弾ける。「ただただうれしくて」バイオリンを奏でた。 「演奏は静かに聴いてもらうもの」 再スタートを切るまで、そう考えていたデュオ三木を変えたのは、聴衆の声だった。「頼むから演奏をやめてくれ」。音楽が目的の客ばかりではないパーティーでの仕事で、こんな言葉をぶつけられたこともあった。 大部分の人にとって、馴染みの薄いクラシック音楽。「どうすれば聴いてもらえる のか」 聴き手に興味を持ってもらおうと、ステージで積極的に話し始めた。「この曲は最後に元気な感じになり、盛り上がる」といった曲の構成、作曲者のエピソードなどを演奏の合間に語る。また、誰もが知っているような童謡や唱歌、歌謡曲もプログラム に取り入れる。客席の雰囲気や、聴衆の年齢を見ながら、ステージが始まった後でも、プログラムを変えていく。 楽しみながら、クラシックの世界に誘われるようにと、聴衆とのコミュニケーションを重視するスタイルを作り上げた。 復活から20年あまり。デュオ三木はいま、ホールや自宅、飲食店、病院などさまざまな場所をステージに演奏を続ける。海外の学校から招かれることもある。 昨夏からはタンゴにも力を入れている。広島市在住で国内最高齢といわれるバンドネオン奏者、佐川峯さん(84)との共演がきっかけだ。 「悲しみの音楽」といわれるタンゴは、演奏者と聴き手が曲の悲しみを共有できなければ、互いに心の解放感を得ることはできない。どうすれば聴衆に「悲しみ」を分かってもらえるか。 その佐川さんは、楽譜を渡してくれる時「自由に弾いて下さい」という。「自由とは何ですか」と尋ねると、「そのうち分かります」。禅問答のようなやりとりの中で、2人はここでも、聴衆とのコミュニケーションの大切さを模索している。 そんな情熱が伝わったのか、登志江さんは最近、20年来の知人から「演奏が変わった。音楽に流れが出てきた」と言葉をかけられた。客席で泣きながら聴いてくれている人を見たこともある。 長い間学んできたクラシックでは、楽譜のルールの中で、自分を表現してきた。健嗣さんは「タンゴには約束事がなく、演奏者の心の内面が直接、火山の噴火のようにあふれ出している、ということかもしれない」と話す。 「願いは必ずかなう」。2人は転機を迎えるたびに、夢を持って新しい人生の扉を開いた。演奏活動を続けるためには、会場や案内状などにかかる費用や事務作業など、ステージの外での難題が増える。融資を申し込んだ銀行から「お金のない人は夢を見てはいけない」と言われたこともある。だが困難があっても表現活動を続けようと走ってきた。 「音楽は楽しむもの」という言葉には「苦しみこそが楽しみでもある」という意味が込められている。音楽を突き詰める過程で、自分の心の中を見つめ、さらけ出す苦しさ。「ステージの演奏は、苦しいことがほとんど」という健嗣さん。「でも、自分の生きざまが演奏に重なった時、ほっとする一瞬がある。そのために弾き続けるんです」 |
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| ■ | 音楽は楽しむもの生演奏で心の内感じて 毎日新聞 2002年10月6日(日) | |
| ■ | ファミリー 夫婦de健康 中国新聞 2003年2月18日(木) | |
| ■ | 備後に生きる(上) 戦い支え合い音楽の道歩む 毎日新聞 2003年6月19日(木) | |
| ■ | 生演奏鑑賞会 児童ら合唱も 中国新聞 2005年3月2日(水) | |
| ■ | BINGO街の人 Bjビジネス情報 2005年4月1日(金) | |